断熱性能向上施工~硬質ウレタン吹付~
私たちはリノベーションする際、住戸をスケルトン状態になるまで解体をし、その後必ず断熱材の増し打ちをするようにしています。
これがその断熱材を施工して、石膏ボードで閉じてしまう前の状態です。
この現場は最上階、南西の角住戸です。ちょうどサッシ見えるバルコニー側が南で、その右手の壁が西側です。
これだけでもこの部屋の温熱環境の過酷さが想像できるのではないかと思います。
解体直後の状態がこちらです。壁や天井に断熱材は施工されていませんでした。
(ちなみにこのマンションは築85年の6階建ての低層マンションです。)
ここを解体したのは2024年の11月から12月にかけてです。当時は非常に冷え込みが厳しい時で、朝一番にここに来ると正直外より寒いと感じるほどだったと記憶しています。
それだけコンクリートの箱は、熱いのも冷たい熱をため込みやすいということを、身をもって実感しました。
ウレタン吹き付けで施工する場合には、外皮部分(窓の面がある壁)には既存40~50mm厚になるように、さらに界壁(隣の家との境界の壁)30mm厚、さらに天井にも30mm厚で断熱するようにしています。
床については、1階はもちろん床全面を断熱し、2階以上については外皮の窓際などのヒートブリッジ現象対策として折り返しという断熱をします。
下の画像の中央に赤い丸の中に40と書かれたものがあります。
これが断熱材の厚みを担保するもので、このピンが根元までしっかり刺さっていると、その数字の厚みで施工されているということになります。
この場合は40mmの硬質ウレタンが吹き付けられているという証になります。
ちょうどこの施工をしたのが1月の末頃で最も寒い時でしたが、施工後は見違えるほど暖かくなりました。
この現場は電気ストーブを使うことがなかったほど、しっかり断熱されていました。
とはいえサッシはシングルガラスで隙間だらけだったので、まったく寒くないわけではありませんので内窓などの開口部対策はセットで行う必要があります。
断熱工事は工事期間の中では一瞬のタイミングで終わります。施主様も運が悪いと見逃すこともある工程です。
ぜひ施工直後のタイミングで現場を訪れて、このピンを確認してみてください。
工事が完成すれば見えない部分となりますが、その後の生活の質に直結するとても大事な工事ですのでこのようにしっかりと施工を行っています。