天井壁材・珪藻土

Lagomのマンションリノベーションで、私たちが壁や天井の仕上げ材として自信を持っておすすめしているのが、**北海道産の「メソポア珪藻土」です。別名「奇跡の珪藻土」とも呼ばれるこの「MPパウダー」**は、お客様の暮らしに驚くほどの快適さをもたらしてくれます。

なぜ、この珪藻土が Lagom の住まいに欠かせないのか？その秘密を、科学的なデータと共にご紹介します。

珪藻土が持つ、空気中の水分を吸ったり吐いたりする「調湿（吸放湿）性能」。この能力は、JIS A 6909という吸放湿試験という日本の公的な規格で評価されています。

この試験は、温度23±2℃で湿度90±5%の高い湿度環境と、温度23±2℃で湿度45±5%の低い湿度環境の間で、建材の重さの変化を測ることで、どれだけ水分を出し入れできるかを調べます。JIS規格では、この試験で24時間あたり1平方メートルあたり70g以上の吸湿・放湿能力を持つ建材を「調湿建材」と定めています。つまり、1日で70g以上の水分を空気中に出し入れできる材料が、吸放湿性に優れていると認められるわけです。

さて、気になる珪藻土MPパウダーの試験結果はというと…

なんと、155.1g/m
2
/24hという驚きの数値を記録しています！

これは、24時間以内に1平方メートルの珪藻土が155.1gもの空気中の水分を出し入れする能力があるということ。JISが調湿建材と定義する70g/m
2
/24hと比較すると、約2.2倍もの吸放湿性能を持っているんです。このデータからも、MPパウダーの優れた調湿能力が科学的に証明されています。

では、この高い能力が、私たちのお部屋でどれくらいの効果を発揮するのでしょうか？

例えば、窓や扉などの開口部を除いた約8畳のお部屋の壁と天井の総面積を28.42㎡と仮定して計算してみましょう。

28.42㎡×155.1g/㎡/24h=4,407g/24h

水は1Lで1kg（1,000g）ですので、単位を変えると、

4,407g/24h=4.407L/24h

つまり、8畳のお部屋全体に珪藻土MPパウダーを塗ると、24時間で約4.4Lもの水分を吸湿できるということになります。これは、なんと500mlのペットボトル約9本分に相当する水分量です。

一般的な木造住宅の8畳間に必要とされる加湿・除湿能力と比較してみると、

加湿能力比：4.407L/12L≈0.37（加湿器の約37%の能力）
除湿能力比：4.407L/6.3L≈0.70（除湿機の約70%の能力）
このように、条件が整えば、珪藻土MPパウダーは加湿器の約3割、除湿機の約7割もの能力を自然に発揮する計算になります。まさに、これこそが「天然の除湿機」と呼ばれるゆえんなのです。

また一度塗れば、その機能はずっと継続します。除湿機のように水を捨てたり、フィルターを掃除したり、備品を購入したりといった手間も、もちろん電気代も一切かかりません。これは、Lagomの床材に使われている吉野杉にも同じことが言えます。

メソポア珪藻土は、湿度が高い時には水分を吸い込み、乾燥している時には水分を放出することで、お部屋の湿度を常に快適な40%∼60%弱の範囲に保とうとしてくれる優れものです。

マンションは気密性が高いため、室内で加湿しすぎると結露しやすくなることがありますが、Lagomの住まいは断熱性能をしっかり高めてあるだけでなく、珪藻土が調湿してくれるので、結露も起こりにくいというメリットがあります。

また、臭いやお部屋の汚れの原因となる成分は、空気中の水蒸気と一緒に移動します。珪藻土はこの水蒸気を吸収する際に、それらの臭いや汚れの成分も一緒に吸い込み、分解・無効化する働きがあります。そのため、お部屋に不快な臭いが残りにくくなるだけでなく、シックハウス症候群の原因となる化学物質（VOC）も減らすことができるというわけです。

このように非常に優れた素材であるメソポア珪藻土ですが、唯一のデメリットとして挙げられるのが、初期費用です。一般的なビニルクロスに比べると、1平方メートルあたりの施工費が約5・6倍と高くなる傾向があります。

しかし、ここまで説明してきた珪藻土の素晴らしいメリットを考えれば、これは決して「高い」だけではないはずです。30年、40年という長い年月で考えた場合、その間、電気代もメンテナンスの手間もかからない珪藻土は、実は非常にコストパフォーマンスの良い材料だと言えるでしょう。

昔の住まいでは、自然素材を使った調湿が当たり前だったということを知ると、先人たちの知恵や技術には本当に驚かされます。Lagomは、そうした古き良き知恵と、現代の技術を融合させることで、お客様に真に快適で健康的な住まいをご提案しています