
Case 2 ~住環境に悩み、住み替えまで考えた50代ご夫婦の選んだリノベーション~
50代のご夫婦がマンションリノベーションを行う場合は、20年か30年くらい前に新築で購入し、今日まで過ごされてきた方が多いです。
そのような方々のケースを考えてみます。
例えば、約30年前に子供が生まれるのを契機に、このマンションを購入し暮らしてきたご家族。
南西の角部屋で明るく開放的、立地も価格も条件が合ったので購入した。
それまでは木造のハイツで生活されていたこともあり、マンションは意外にも夏は暑くて冬は寒いと感じていた。
特に夏場の夜はエアコンが効きにくく、冬場の結露は結構なストレスになっていた。
北側にもせっかく部屋があるのに、寒さや結露のためうまく活用できないままでいる。
これまでの間に一戸建てに住み替えることも考えたが、タイミングが合わず実行には至らなかった。
そうこうしている間に子供も独立し、今後の夫婦2人での暮らしを考えて、改めて住み替えかリフォームを検討し始めた。
このような状況の方々が、一定数いらっしゃると思います。
現状の課題として、購入直後から悩んでいた温熱環境は相応の工事をしないと改善はされません。
また子育てが終わったということは、現状の間取りは購入当時の役割はもう終わりました。
これからどのように暮らしていくのか(いきたいのか)を念頭に、使いやすさや居心地を考えた構成にデザインしていくべきです
そういう観点から、今のマンションで終の棲家として住み続けていくならば、次のようなリノベーションを行うのが良いと思います。
①温熱環境を改善するために、壁や天井に効果的な厚みの断熱材を施工し内窓で開口部の断熱性能を向上させる
②断熱性の向上で結露は解消しやすくなるが、室内の湿度が高すぎると懸念は残るので、珪藻土や無垢の床材で湿度環境を整える
③間取りを一から見直し、導線を改善して人や風の通り道を増やしたり、開き戸を引き戸に変更して怪我や事故の危険性を減少させていく
④梁や柱による部屋の凸凹を可能な限り無くすデザインで、すっきりした居心地のよいデザイン設計を行う
このようなリノベーションを行うことで、長年のお困りごとから解放されるだけでなく、これからの自分たちが過ごしていきたい暮らし方にフィットした住まいになると思います。
※本ページに掲載されている画像は、木のマンションリノベーションの技術指導をしていただいた株式会社Toivo様からご提供いただいたものです